12月22日

 

 

 

この時期にイオンに行くと否応無しに臓腑にクリスマスが染み込んできて死ぬ。希死念慮とは関係なしにミスタードーナツに用事があった。2日前から面白いくらい体調を崩して寝ていたので、誰かに見張られながら卒業論文を進めて焦りを払拭する必要があったのだ。クリスマス直前。日曜。親子連れがこれでもかと湧いている。子供は可愛いが自分には要らない。生かす責任ならなんとでもなるが産んで欲しくなかったと言われた時に殺す責任が取れないからだ。家を出る寸前にお守りのように飲んできた金色のパブロンがゆっくりと効き始め、プールの授業の後のようななんともチルい気持ちになる。腎臓と肩甲骨の間の奇妙な浮遊感に耐えつつ3時間ほど唸ってみたがあまり進まず。店が混んできて申し訳なくなってきたので帰ることにする。

 

帰るついでに100均に立ち寄る。髪が伸びてきたのでヘアゴムを買うためだ。目的の物1つを手に取ったがその時ちょうどレジには長蛇の列ができており、「これ一個買うために並ぶくらいなら万引きした方が早いな」などと思う。実年齢に相応の倫理観が追いついていない。我慢してレジに並び、110円でなんの飾りも面白みもない黒いヘアゴムを1つだけ買って、帰宅。

 

 

2日ほど液体しか食べていなかったので豚キムチを作った。味は上々。キムチは加熱すると何故ヌルヌルになるのだろう。帰宅した後も卒論を弄らねばマズイぞとわかってはいたものの、布団の上でなんの益もない時間を過ごしてしまい、自己嫌悪に陥った上、理由もなく突然自分の顔面の粗のことが強烈に気にかかって情緒が逝った。こんな容姿で生きていくなら産まないで欲しかったと時々は思うが、母親は私を殺す責任を一度も果たしていない。犬◯◯丈の顔に生まれたらやりたかったことなりたかったもの歩みたかった人生がいくつもあって、どうにもならないそれと比較しては落ち込んでいる。将来の夢は結婚して幸せな家庭を築くことだと言った同期を笑わないで済む選択肢もあったかもしれない。結婚子育て出産というライフステージに疑問を抱かないような環境で生きてこられたことを素敵なことだと言いつつ内心ではバカにしている。容れ物も中身もどうしようもないくらい歪だがそれでも生きていて、生きているだけなので何も偉くない。ほんとうに、心の底から生きているだけで良いと思っている人なんてここにはおそらく一人もいない。